双子の妊娠は注意しておきたいことが一杯!
妊娠はまさに授かり物、しかもそれが双子ともなれば喜びもひとしおかも知れません。
しかし、現実はドラマなどで見るのとは大違い。
実は双子の妊娠には、普通におひとりのお子様を妊娠された場合と比べて、注意しなければならないことがたくさんあるのです。
以下に、双子の妊娠に関して知っておきたい医学的な知識についてご紹介していきますので、参考にしていただければ幸いです。
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双子の妊娠は多胎妊娠の一種
まずは、妊娠に関する基本的な話から始めさせていただきます。
妊娠には単胎妊娠(たんたいにんしん)と多胎妊娠(たたいにんしん)の2つがあります。
単胎妊娠とは、おひとりのお子様を妊娠されることです。
胎児が単独ですので単胎妊娠と呼んでいます。
多胎妊娠とは、一度に複数のお子様を妊娠されることです。
胎児の数が多いので、多胎妊娠と呼ばれています。
多胎妊娠には双子、三つ子、五つ子など、一度に大勢のお子様を妊娠されるケース全てが含まれます。
双子の妊娠に限って言う場合には、双胎妊娠(そうたいにんしん)という言葉が使われます。
ここまでは妊娠に関する言葉についてご説明してきましたが、出産に関しては、単産、複産という言葉が使われています。
双子の妊娠には3つのタイプがある!
お母様のお腹の中での状態によって、双子の妊娠は3つのタイプに分けられます。
それぞれ、二絨毛膜二羊膜双胎(にじゅうもうまく にようまく そうたい)(DD双胎)、一絨毛膜二羊膜双胎(いちじゅうもうまく にようまく そうたい)(MD双胎)、一絨毛膜一羊膜双胎(いちじゅうもうまく いちようまく そうたい)(MM双胎)と呼ばれています。
難しい名前ですが、お腹の中にある絨毛膜(じゅうもうまく)という部分と羊膜(ようまく)という部分の状態によって付けられた言葉です。
以下に各タイプについて、お腹の中をお部屋にたとえてご説明します。
二絨毛膜二羊膜双胎とは、2人のお子様が、それぞれ別の部屋に入っている状態です。
一絨毛膜二羊膜双胎とは、同じ部屋に入っているのだけれど、間にカーテンか衝立(ついたて)のようなものがあって、部屋が仕切られている状態です。
一絨毛膜一羊膜双胎とは、同じ部屋に入っていて、間にカーテンも何もない状態のことです。
ちなみに双子の妊娠には一卵性と二卵性とがありますが、二卵性の場合には、全て二絨毛膜二羊膜双胎となっています。
一卵性の場合には、3つのタイプのうちのどれかとなります。
割合としましては、二絨毛膜二羊膜双胎が約4分の1、一絨毛膜二羊膜双胎が約4分の3、そして一絨毛膜一羊膜双胎が1%程度となっています。
つまり、一絨毛膜一羊膜双胎は非常に珍しいケースだということです。
なお、一絨毛膜二羊膜双胎と一絨毛膜一羊膜双胎は、どちらも2人のお子様が同じ部屋に入られている状態です。
ひとつの部屋を共有している状態ですから、一方のお子様の状態のバランスが崩れますと、もう一方のお子様も影響されてしまいます。
たとえば、双胎間輸血症候群(そうたいかんゆけつしょうこうぐん)(TTTS)という病気では、一方のお子様の羊水が多くなり過ぎ、もう一方のお子様の羊水が少なくなり過ぎるという状態が発生します。
これは、2人でひとつの部屋を共有しているために、片方のお子様の羊水の量が病気によって必要以上に増えると、その影響で、もう片方のお子様の羊水の量が減ってしまうからです。
死亡、流産等の危険性もある注意すべき病気です。
このように、一絨毛膜二羊膜双胎と一絨毛膜一羊膜双胎の場合には、部屋を共有していることによって、独特なトラブルが発生する可能性があります。
その分、注意も必要になってくるということです。
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双子の妊娠の医学的な注意点とは?
双子を妊娠された場合、おひとりだけ妊娠された場合に比べますと、病気やトラブルなどが起こりやすくなる傾向があります。
まず、出産に関することについてですが、早産の可能性が高くなります。
また、超早産となる場合もあります。
次にお腹の中のお子様についてですが、おひとりだけの場合に比べて発育が少なくなる場合があります。
子宮内胎児発育不全と呼ばれています。
また、お母様の体にも、妊娠高血圧症候群や血栓症の発症、出産後の大量出血などが起きやすい傾向があります。
そのため、こまめな妊婦健診や、場合によっては管理入院なども必要となってきます。
双子の妊娠に関するまとめ
以下に、双子の妊娠に関して、簡単にまとめさせていただきます。
・妊娠には単胎妊娠と多胎妊娠がある。
・双子の妊娠は多胎妊娠の一種で、双胎妊娠と呼ばれている。
・双子の妊娠は、お腹の中の状態によって3タイプに分けられる(二絨毛膜二羊膜双胎、一絨毛膜二羊膜双胎、一絨毛膜一羊膜双胎)。
・一絨毛膜二羊膜双胎と一絨毛膜一羊膜双胎は、お腹の中の構造上、独特のトラブルが起こる可能性がある。
・双子の妊娠は、早産やお腹の中のお子様の発育不全、お母様の病気等が起こりやすい傾向があるため、こまめな妊婦健診等が必要。
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