妊娠しても生理が来た!?
妊娠したら、生理って来なくなりますよね? 生理というのは、排卵後、妊娠しなかった時に起こるものですから、妊娠したら生理が来なくなるのは当然です。
また、その逆に、妊娠しなかったら生理が来るのも当たり前です。
ところが実際のところ、妊娠したと判定された後も生理のように出血する、というケースが意外と多いのです。
このため、妊娠したと判定された方は、「実は妊娠していなかったのでは?」と不安を抱えることになります。
その一方で、妊娠に気づいていなかった方が、生理が来たと安心して、妊娠に気づくのがさらに遅れるといったケースもあります。
一体どうしてこのようなことが起こるのかということですが、実は妊娠した後に出血するというのは、よくあることなのです。
ですから、妊娠後に生理が来たと思っても、本当はそれは生理ではなく、何か別の理由で出血していると思った方がよいでしょう。
生理ではないのですから、もちろん、本当に妊娠しています。
このような出血のことを不正出血というのですが、実は不正出血が起きるのには、さまざまな理由があります。
特に危険がないケースもありますが、中には流産となってしまったり、妊娠の継続を断念しなければならなくなるような深刻なケースもあります。
ひとつ問題なのは、その不正出血が深刻な原因によるものなのか、それとも特に危険のないものなのかということが、素人には非常に見分けづらいということです。
素人判断で安全だと判断してしまって実は深刻なものだった場合には大変なことになりますので、多少面倒でも、不正出血があった場合にはすぐに病院に連絡し、医師に診てもらう方がよいでしょう。
できれば、不正出血の色や量を記録しておくと、診察してもらう際の助けになります。
以下に、妊娠後の不正出血の代表的なものについてご紹介していきますが、くれぐれも独り決めしたりせず、きちんと診察を受けた上で、医師の指示に従ってくださいね。
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妊娠後に生理のように出血するケースで、あまり心配のないものとは?
ここでは妊娠後に生理のように出血してもあまり心配のないものとして、月経様出血と子宮膣部びらんについてご紹介します。
月経様出血
月経様出血とは、文字通り、月経のような出血のことです。
着床出血とも呼ばれています。
出血の原因には2種類の説があり、受精卵が子宮内膜に着床した時の衝撃か、ホルモンの働きによるものとされています。
妊娠の超初期に発生するものですが、発生率は約2%程度です。
ですので、月経様出血を経験されないケースの方が圧倒的に多いです。
月経様出血の量は少なめで、色はさまざまです。
また、おりものがピンク色や茶色になることがあります。
特に危険なものではなく、長くても1週間程度で収まります。
子宮膣部びらん
子宮膣部とは子宮の入り口の部分のことです。
びらんとは、一般的には「ただれる」という意味ですが、子宮膣部びらんの場合には、本当にただれているわけではありません。
子宮の入り口近くのある部分が、通常よりもせり出してきたために、一見、ただれているように見えているだけです。
実際にただれていたら大変ですが、子宮膣部びらんでは本当にただれているわけではありませんから、特に心配する必要があるものではありません。
ただ、通常の状態よりもせり出しているために、ちょっとした刺激でも出血しがちです。
妊娠した場合だけでなく、内診などで出血することもあるそうですよ。
妊娠後に生理のように出血するケースで危険なものとは?
ここでは妊娠後に生理のように出血するケースの中で危険なものとして、絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)、子宮外妊娠、胞状奇胎(ほうじょうきたい)についてご紹介します。
絨毛膜下血腫
赤ちゃんはお腹の中で、何層もの膜に包まれています。
その膜のひとつが絨毛膜です。
絨毛膜下血腫とは、その絨毛膜の下に血がたまってしまい、血腫と呼ばれる血の塊ができてしまうことです。
血腫が小さい場合には自然になくなっていきますので、特に危険なものではありません。
しかし、血腫が大きい場合には流産となってしまうこともあるため、注意が必要です。
子宮外妊娠
子宮外妊娠とは、受精卵が本来とはちがう場所に着床してしまうことです(※ほとんどが卵管です)。
異所性妊娠とも呼ばれています。
本来とはちがう場所に着床した受精卵は、成長していくことができません。
また、そのままにしていますとお母様の体にも危険が及ぶ可能性大ですので、手術して、着床した個所を切除するしか方法はありません。
胞状奇胎
胞状奇胎とは、受精卵から伸びる絨毛という部分が、水ぶくれのようになって異常増殖した状態のことをいいます。
胞状奇胎の場合には、妊娠の継続はほぼ不可能です。
また、異常増殖を起こしているということは、癌になる前の段階とも言えますから、早めに治療する必要があります。
治療内容としましては、まずは子宮の内側から胞状奇胎を取り除きます。
その後、経過が良好でない場合には、子宮全摘か、抗がん剤治療を行なうことになります。
早い段階で病院や医療機関へ検査することをオススメします。
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