ポイント1:熱中症とめまいの関係とは?
夏になるとニュースになることが多い熱中症。
重症の場合には何日もの休業を余儀なくされたり、最悪の場合、亡くなられるケースもあります。
暑さによる体温の上昇が主な原因ですから、日ごろからしっかりと注意をしておくことが重要です。
そこで問題となってくるのが、めまいです。
暑い中に長くいると、たまにめまいを感じることがありますが、これは熱中症と関係があるのでしょうか?
以下に、熱中症とめまいの関係についてご紹介していきますので、参考にしていただければ幸いです。
ポイント2:熱中症が原因のめまいとは?
めまいを感じるのにはいろいろな原因がありますが、熱中症もそのひとつです。
実は、めまいは熱中症の初期症状のひとつなのです。
初期症状というよりは、軽い熱中症の症状と言った方がよいかもしれません。
一口に熱中症と言いましても、実は内容は4通りに分かれています。
それぞれ、熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病と言います。
この4つの中では、熱失神が最も軽く、熱射病が最も重いです。
めまいが症状として出るのは、熱中症の熱失神です。
熱失神の詳細については、次項でご紹介します。
ポイント3:熱中症の熱失神とめまいの関係とは?
熱中症の熱失神の症状には、[めまい、顔色が非常に悪くなる、一時的に失神する]、などがあります。
ちなみに失神とは、気を失うということです。
なぜ、このようなことになるのかと言いますと、暑さの影響で、脳に流れる血液の量が普段よりも減ってしまうからです。
暑い時には体温を下げるために、皮膚に近い部分の血管がいつもよりも太くなって、血液が流れる量を多くしようとします。
これは、水冷式のエンジンをイメージしていただければ分かりやすいかと思います。
血液が多く流れるようにすることで、血液と一緒に熱を持ち去ろうというわけです。
ですが、これをやりますと、他の部分を流れる血液の量に影響が出てしまいます。
特に頭は人間の体の中で一番高いところにありますから、このようなことが行なわれていますと、血液の量が足りなくなりやすいのです。
頭に流れる血液の量が減れば、脳に流れる血液の量も減ります。
その結果、めまいを感じたり、一時的に失神したりするのです。
ちなみに顔色が悪くなるのは、顔の部分を流れる血液の量が減ってしまうからです。
なお、脳を流れる血液の量が減ったのは、あくまでも暑さによる一時的なものですから、適切な処置を行なえば、特に問題はないことがほとんどです。
ポイント4:熱中症でめまいを感じた場合の対処法とは?
熱中症の熱失神によるめまいは、あまり深刻なものではありません。
しかし、適切な処置を行なうことで、より回復しやすくなります。
具体的には、日陰などの涼しい場所に運んでいき、体を寝かせて、足を体よりも高くします。
できれば衣服をゆるめるなどし、水分も補給するとよいでしょう。
熱失神は、暑さの影響で脳を流れる血液の量が減って症状が出ているのですから、体温を下げることと、脳を流れる血液の量を通常の状態に近いところまで戻すことが必要です。
日陰などの涼しい場所に運んでいくこと、衣服をゆるめることは、体温を下げるために行ないます。
まわりの環境が涼しくなれば、それ以上、体が温められることはなくなりますし、体温も下がりやすくなります。
また、衣服をゆるめることで、熱が体から逃げやすくなります。
さらに水分を補給すれば、汗をかいて少なくなった体内の水分を補充することができ、体調の回復につながります。
体を寝かせて、足を体よりも高くするのは、脳に流れる血液の量を増やすためです。
血液はある程度、重力の影響を受けますから、足を高くすることで、足にある血液を頭の方に流れやすくする効果があります。
ポイント5:熱中症は必ずめまいを感じるとは限らない?
既にお伝えしましたように、熱中症には4通りあり、めまいはその中でも一番軽い、熱失神の症状です。
しかし、ここで注意しておいていただきたいのは、熱中症は必ずめまいを感じるとは限らない、ということです。
めまいは一番軽い段階の症状と聞くと、「熱中症は最初にめまいを感じて、それからだんだん症状が悪化していくんだ」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、そうとは限りません。
めまいを感じなくても熱けいれんや熱疲労、熱射病の状態になることはあり得ますので、めまいを感じたかどうかを熱中症の目安にすることは避けていただければと思います。
ポイント6:熱中症とめまいの関係に関するまとめ
以下に、熱中症とめまいの関係について、簡単にまとめさせていただきます。
・熱中症には、熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病の4通りがある。
・めまいは、熱中症の熱失神の症状。
・めまい以外の熱失神の症状としては、顔色が悪くなる、一時的に気を失うなどがある。
・熱失神の原因は、暑さの影響で、脳を流れる血液の量が一時的に減ったため。
・熱失神の対処法としては、涼しい場所に寝かせて足を体より高くする、衣服をゆるめる、水分を補給する、などがある。
・めまいを感じなくても熱中症になっている場合があるので、注意すること。