犬の熱中症の症状について
熱中症になるのは、人間だけではありません。
意外なことかも知れませんが、犬も熱中症になるのです。
そして、人間と同じように、場合によっては死に至ることもあります。
そのため、大切なワンちゃんの健康を守ってあげるためには、犬の熱中症について、よく理解しておく必要があります。
以下に、犬の熱中症の症状やどのような犬が熱中症になりやすいかについて、下記の記事を参考にしてみてはいかがでしょうか?
犬の熱中症が軽い段階の症状とは?
まず最初に基本的な情報ですが、人間の場合と同様、犬の熱中症も、暑さなどによって体温が上昇することが原因で発症します。
そして、健康を維持できないほどの体温の上昇によって、熱中症の症状が出始めます。
まだ熱中症が軽い、初期の段階の主な症状としましては、呼吸やよだれの異常などが挙げられます。
呼吸の場合には、呼吸のテンポが速く、苦しそうな呼吸になります。
また、口は開けっ放しになります。
よだれに関しては、通常とはちがって、大量のよだれを出すようになります。
その他の症状としましては、体のふらつきや下痢などがあります。
犬の熱中症が悪化した段階の症状とは?
犬の熱中症がさらに悪化した段階の代表的な症状としましては、意識がはっきりしなくなってきたり、筋肉がけいれんし始めたりすることが挙げられます。
これは、体温の過度な上昇によって、脳や体の中の器官が正常に働かなくなり始めているからです。
また、チアノーゼを起こしたり、出血したりすることもあります。
ちなみにチアノーゼとは、犬の舌や歯ぐきなどが青紫色になることです。
状態によっては、青紫色ではなく、青色っぽく見えることもあります。
なぜ、このような色になるのかというと、熱中症の影響で体がうまく機能しなくなって、酸素の量が不足し始めているからです。
また、出血に関してご説明しておきますが、傷口が開いて出血するということではなく、血を吐いたり、あるいは血便、血尿といった形での出血が見られる、ということです。
犬の熱中症が危険な状態になった時の症状とは?
犬の熱中症がさらに悪化しますと、ほとんど危険と言ってもよいような状態になってしまいます。
このような状態で見られる症状には、ショック症状があります(※ショック状態と言われることもあります)。
これは、熱中症によって体の状態がおかしくなってしまい、全身に酸素がきちんと届かなくなってしまった状態です。
非常に危険な状態であり、この状態で動物病院に運び込まれた場合には、すぐに酸素吸入などを始めることになります。
しかし、それでも命を失ってしまうケースがあるほど、危険な状態なのです。
また、ショック症状以外の症状としましては、意識が完全になくなってしまうというものがあります。
これらのような症状が見られた場合には、命の危険が非常に高い状態だとお考えください。
犬の熱中症の症状が出やすいのは、どんな犬?
ここまで犬の熱中症の症状について見てきましたが、実は、どの犬でも同じように熱中症になるわけではありません。
一口に犬と言っても、熱中症の症状が出やすい犬と、そうではない犬とがいるのです。
これは、犬種などが関係している場合と、体型などが関係している場合があります。
まず、犬種についてですが、一般的に言って、もともと寒い地域に生息していた犬種は、熱中症になりやすいです。
これは、寒い気候に適応しているために、暑さに対する備えが十分ではないためです。
ペットショップ等ではさまざまな種類のワンちゃんたちに会うことができますが、本来、住むはずだった地域はバラバラです。
ですから、そこは飼い主の方できちんと情報を集めて、ケアしてあげなくてはいけません。
また、短頭種のワンちゃんも、呼吸によって体温を下げることが難しいため、熱中症になりやすい傾向があります。
これは、他の犬種で、病気によって呼吸がうまく出来ない場合も、同じです。
また、心臓の病気があるワンちゃんも要注意です。
そして、もちろん、どんな犬種であっても、体が太り気味ですと、熱中症の危険性は高くなります。
他にも、子犬や老犬は体温調節がうまく行かない場合がありますので、注意しておく必要があるでしょう。
犬の熱中症の症状に関するまとめ
以下に、犬の熱中症の症状について、簡単にまとめさせていただきます。
・初期の症状としては、口が開けっぱなし、呼吸が速くなる、大量のよだれ、体のふらつき、下痢などがある。
・さらに悪化した段階の症状としては、意識がはっきりしなくなる、筋肉のけいれん、チアノーゼ、血便、血尿などがある。
・命の危険が非常に高い段階の症状としては、ショック症状や、意識が完全になくなってしまう、などがある。
・寒い地域が原産の犬種や短頭種は、熱中症の危険性が高い。
・病気の影響で呼吸に問題がある犬や、心臓の病気がある犬、肥満している犬も、熱中症の危険性が高い。
・子犬や老犬は、体温調節機能に問題がある場合が多く、熱中症の危険性が高い。
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